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CS5のレンズ歪曲収差補正は期待はずれでした [画像処理]

ズームレンズで撮影するとワイド側ではたる型、望遠側では糸巻き型の歪曲収差が生じる傾向があります。
山などの景色や、花などの植物のように直線部がほとんど無い被写体を写した写真では無視できますが、湾曲した水平線や、曲がった建物の写真は大嫌いで、そのような写真は事後処理で歪を修整しています。 
特に勤め先で箱形状の製品を撮影した場合は、定規で当てても歪が分からないほど歪曲を補正する必要があります。

Photoshop CS5では各種レンズの補正用プロファイルを利用して、歪曲収差は自動補正できると期待していたのですが、歪曲補正用プロファイルが準備されているレンズがまだごく一部で、私の保有するレンズでは、僅かに50mmF1.4のみが自動補正可能でした。 このレンズは単焦点でもともと歪曲歪が少ないので、補正はほとんど不要なぐらいです。
結局自動補正できないレンズで写した写真はマニアル(カスタム)で補正せざるを得ないのですが、CS5で補正できるパラメーターは歪曲率のみで、CS2からは進歩していません。 レンズの歪曲歪は円弧状の単純な歪だけではなく、放物線のような、複雑な形状に歪むレンズも少なくなく、歪曲率の補正だけでは対応仕切れません。
その点、Silkypixでは中央部と周辺部とを別個に補正できるため、歪曲率だけの補正と較べると補正できる範囲や補正精度が格段に向上します。

この写真はD700に18-35mmレンズをつけて広角端で我が家の障子を写したものですが、見事に歪曲していますが、歪曲しているのは中央部だけで周辺部は傾いたなりにほぼ直線です。
JS2_4815-t.jpg

この写真をCS5で補正しようとしても、両端部に歪が残ってしまいます。


この時の補正量です。


一方Silkypixでは補正パラメータは歪曲率と中央/周辺重視の二つがあるため、格段に歪みを低減することが出来ました。


その時の補正値です。



ということで、CS5の歪曲補正については見事に期待はずれでした。

尚、歪曲以外に傾き、上下シフト、左右シフトなどの補正については、SC5、Silkypixともに可能です。


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コメント 3

美術人気ランキング娯楽部

NICE記事!!
おはようございます
もしよろしかったら相互リンクお願いします

美術人気ランキング娯楽部
http://269g.2-d.jp/21art/
by 美術人気ランキング娯楽部 (2010-06-11 10:35) 

コーミン

momottyさんへ
確かに最近の新築住宅には障子が少なくなりましたね。
障子どころか畳の部屋が無いお宅も増えているようです。私の娘夫婦のマンションも和室がありません。

by コーミン (2010-06-11 23:16) 

コーミン

美術人気ランキング娯楽部さんへ
サイトを拝見しましたが、写真関連の分類がありませんので相互リンクは遠慮させて頂きます。
by コーミン (2010-06-11 23:19) 

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