D3100のホワイトバランス適正化への考察 [D3100]
デジタル一眼レフカメラのオートホワイトバランス(WB)は、年々進化して的中率は向上していますが、まだ完全に信頼するまでには至っていないと思います。
D700や最近入手したD3100では街中や室内での撮影ではかなりの的中率ですが、ネーチャー風景のような被写体では、オートWBはまだ安心して使えるとは言えません。
新緑、紅葉、花、海、青空などのネーチャー系の被写体では、全体がある特定の色に傾いているケースがあり、そのような被写体に対して、オートWBは、環境光が傾いていると判断し、それを補正しようとして、補色方向に、WBを補正するような傾向があります。
具体的には、真っ赤な夕焼けが真っ赤に写らなかったり、緑の森を写したら紫色に色かぶりするひどい例もありますが、微妙に色合いが違ってなにかしらの違和感を感じる例は少なくありません。
この対応策として、特にネーチャー系ではWBを晴天または色温度指定することで、WBの的中率の向上が期待でき、さらには、イメージした色調に写せるようになります。
色温度とは物体が高温に熱せられた際に発する色を温度で示したもので、朝日や夕日は2000K(ケルビンと呼びます)、白熱灯は3000K、昼間の太陽光は5200~5500K、曇天では6000K、晴天日陰では8000Kであり、撮影時の光温度に合わせて白いものが白く見えるように色調を調整することをホワイトバランスを合せるといいます。
D300やD700では晴天(5200K)に設定すれば晴天や曇天のかなりの部分をカバーできます。 たとえば午後のやや黄色じみた光の時は、5200Kよりやや低い温度(4300~4800K)、曇天や雨のように青っぽい雰囲気の時には5200Kよりやや高い温度(5500~6000K)に色温度を設定して撮影することなど、撮影時の状況によりどの色温度に設定するかを覚えると、オートWBよりは確実な色調で撮影できるようになります。
このようなWBの調整はRAWで撮影すれば、後処理で、如何ようにも補正できますが、JPEGのみで撮影した場合の撮影後のWBの補正はかなり面倒なため、撮影時に正しくWBを設定することは重要です。
本題のD3100のWBですが、かなり良くなっていますが、オートWBでは外れるときは外れます。 そこでWBを晴天に設定すると、なぜかD700のように自然な色合いとはならず、やや赤っぽくて、色温度をやや高めに設定したようなくせのある色調に写ってしまいます。 D700やD300などはWBでは色温度を直接設定できるのでこのような場合も容易に対応できるのですが、D3100では残念ながら色温度を直接設定できる機能がありません。
そこで、D3100のWB晴天の調整機能を利用することで、ほぼ適正な晴天の色温度設定することがが可能となり、さらには撮影状況や好みにより、色温度を微妙に調整することが可能となります。
D700、WB晴天で撮影したリファレンス画像で、ほぼ正しいWBで色温度は5200K
D3100、WB晴天の初期設定で撮影した画像、やや黄色味が強くNG 色温度は5200Kであるべきがほぼ5500K
D3100のWB晴天をB2に調整した後に撮影した画像で、ほぼリファレンス画像に近くGood
如何にD3100のWB晴天を適正な色温度に合わせる方法の説明です。
1. 撮影メニューをホワイトバランス | 2. ホワイトバランスを晴天 |
3. マルチセレクタの左側を押してB2に設定 | |
4. OKボタンを押して設定完了 |
WB晴天のB6(Blue)からA6(Amber)までの色調の違いと推定色温度 | |
B6 4850K | |
B5 5000K | |
B4 5100K | |
B3 5150K ほぼ適正なWB | |
B2 5200K 適正なWB | D700のWB晴天 |
B1 5350K ほぼ適正なWB | |
標準 5500K | D3100のオートWB |
A1 5700K | |
A2 6000K | |
A3 6100K | |
A4 6200K | |
A5 6350K | |
A6 6500K |
スライドフィルムを使う私は、B4とA4フィルターをいつも持ち歩きますが、
強すぎるときが多いので、実際はあまり使わないで、
フィルムをスキャンした時に補正しています。
これが、思うようにいかないで、いらいらしっぱなしです。^^
by tm0108 (2010-10-18 22:43)
tm0108さんへ
私はフィルムのころはもっぱらネガカラーでした。
ネガーフィルムをスキャンしてフォトショップで補正していましたが、慣れるまでは本当に大変でした。
ネガを取り込んだ画像をうまく補正できると現在のデジ一眼に匹敵するきれいな画像に仕上げられるのですが、かなり手間がかかるので枚数は稼げませんでした。
D3100はNikonのデジ一眼の入門機で、機能的に足りないところはありますが、使い方さえ工夫すればD300よりきれいな画像が得られますね。
by コーミン (2010-10-19 09:36)
D3100はかなりいいですね。
ますます気に入りました。
晴天野外であれば、B2に固定して使っていても問題ないということでしょうか?
by minton (2010-10-19 10:54)
mintonさんへ
すでにD3100をゲットしたのでしょうか。
晴天に限らず、曇天、雨天でも7~8割はB2固定でまず大丈夫です。
ただし、日陰とか、曇天の夕方など色温度が高くなっているときには補正無しとかA側にセットしたほうが良いと思います。 また午後の黄色味の強い日差しの時は、B3~4ぐらいにしたほうが黄色味が補正されます。
好みがありますので、いろいろ試して自分なりの補正点を見つければカスタマイズした画像が撮れると思います。
by コーミン (2010-10-19 11:58)
恥ずかしながら私はカメラのWBをオート以外で撮影したことがありませんが、同じ晴天でもこれだけ違うんですね。
RAW撮影主体でもPSなどでのWB修正などに役立つ情報、有難うございます。
WBではありませんが中級機以上のデジタル一眼は、露出も50%グレーを基準とする傾向が強いのではないかと思いますがいかがでしょうか。
すなわち暗い所は明るく、明るいところは暗く撮れる傾向です。私は露出補正を頻繁に使っています。特に暗いシーンではこの傾向が強いように思います。
あまり関係の無い話で申し訳ありません。
by papilio123 (2010-10-19 21:06)
papilio123さんへ
私は逆にWBオートは、いろいろな光線がミックスしたような場合とか、室内での撮影、ストロボ撮影の場合に使用するぐらいで、他はほとんどがマニアルWBで、晴天が基本ですが、状況によって色温度指定で、室内で物撮りの場合はプリセット使います。
露出補正は私も頻繁に使っており、補正しない場合も補正値をゼロに補正したと解釈しているほどです。
by コーミン (2010-10-19 22:30)
このペ-ジ拝見していませんでした。
僕にも分かりやすく凄い勉強になります
分からない時は何度でも見られる様に
お気に入りに追加しました。
by タカタカ (2011-07-04 21:32)
タカタカさんへ
撮影時に色温度をコントロールできるようになれば、WBはかなり良くなります。
D700ではWBは通常晴天にすればかなりの確率で当たります。
たとえば晴れの日の午後の黄色味の強い日光の時は色温度を4700ぐらいに設定し、曇りや雨の日は5500ぐらいにするとか状況に応じて色温度を変えるわけですが、同じ曇りの日によって違いがありますので、光の具合を見て、適切な色温度に設定するわけです。
タカタカさんはお仕事柄、色の配合には敏感なはず。 すぐに勘所は覚えられると思います。
by コーミン (2011-07-05 11:14)