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お社 [画像処理]

DSCF0018_m.jpg

この写真は2014/5/23にアップした写真ですが、オリジナル画像はこちらです。

DSCF0018_m.jpg

撮影時は、快晴の逆光状態で、普通に撮影すれば日が当っている部分は白飛びし、影の部分は黒つぶれとなり、絵にならない状況でしたが、あえて、後加工を前提に撮影したものです。

撮影条件は、
カメラ X-E1+55-200mm
ISO800 
WB 色温度5000K
焦点距離 117mm
絞り F7.1
露出は絞り優先AEの平均測光で露出補正-1.3
SS 約1/1000s
撮影モード RAW+JPEG

X-E1は高感度でも画質劣化が僅かなため、望遠系のレンズの場合は晴天でもISO400~800にセットして、手ぶれを防いでいます。

RAW現像 Silkypix Developer Studio Pro5

補正内容は、

傾き修正

ダイナミックレンジを+4EVまで拡大し、+0.4EV露出補正
これで直射日光が当たって白飛びしかかった部分の階調を戻すとともに、全体が明るくなります。

HDR35でお社の影の部分が明るくなります。

トーンカーブで全体の階調を微調整

シャープネスはピュアディテールを選択し、輪郭強調40 ディテール強調18

ISO800で暗部をこれだけ持ち上げると、さすがにお社の明るくした部分にノイズが認められるようになるので、偽色抑制60 ノイズ除去20に設定

また明るくした部分の彩度が不足気味になるので、ファインカラーコントロールで赤の部分の彩度を+10、カラー調整で全体の彩度を1.08に設定 

ノイズとシャープネスは相関関係にあり、シャープネスを強くかけるほど、ノイズまで強調されるので、ノイズが認められる画像の場合は、ノイズ除去とシャープネスのバランスを配慮する必要があります。
ノイズがある場合、ノイズ除去を強くかければノイズは目立たなくなりますが、塗り絵状態になりがちなので、まずは偽色抑制で色ノイズを除去し、ノイズ除去は出来るだけ少なくかけるようにしています。

シャープネスがノーマルシャープだと、輪郭部にリンギングが発生して図太い輪郭になるので、もっぱらピュアディテールを選択しています。


色収差補正やシャープネスをいかにかけるがで、等倍拡大して見た場合の画像品位に大きく影響するため、別途実例をあげて説明したいと思います。

この写真撮影する際に使用したFUJIFILMの55-200mmは色収差はほとんど発生しないため、色収差補正は実施していません。
またWBは色温度5000Kで撮影したままです。(X-E1のRAWをSilkypixでそのまま現像すると色調が変ってしまうので自製の色調補正用パラメータを前もって一律に当てています)


処理内容を文章で書くと長くなりますが、この日に撮影した写真はX-E1、D800合わせて250ショットで、数点のNGを除いて、その日のうちにすべてRAW現像が終了しました。 時間は2時間強ぐらいでしょうか。

SilkypixによるRAW現像も、ポイントがつかめるようになると、手間はかかりません。

AWBで写すと、写真により、色調がばらけ、条件が悪いと、1点ごとにWBの補正が必要となることもありますが、色温度を決めて撮影すると、イメージしたWBで撮影することが出来、色調にも統一性があるので、WBを補正する場合も、撮影時の状況ごとに一括補正することが可能となります。

色温度の設定のないカメラの場合は、WBを晴天にすれば、カメラにより多少の差がありますが、5000~5250Kの色温度になるはずです。

カメラの色温度の設定は、RAW現像のWB調整の際に、適切なWBのときの色温度を撮影時の色温度とすれば良いわけです。
但し、カメラと、RAW現像ソフトでは色温度の表示に微妙な差があるのでご注意ください。

WBについてはこちらも参考になります。
http://komin2.world.coocan.jp/retouch/digi_color.htm

http://komin.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18


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タカタカ

撮影時の快晴の逆光状態がこれだけに
換わりますか、説明をすべてをメモ張にコピして保管
実に参考になりますのでゆっくり勉強させて頂きます。
by タカタカ (2014-06-02 21:12) 

コーミン

タカタカさんへ
D100とかD70のような初期のデジ一眼はダイナミックレンジが狭く、RAWで撮っても、ハイコントラストの被写体には苦労しましたが、最近のカメラの性能向上は素晴らしいです。
今回は暗部を持ち上げましたが、露出オーバーで白飛びや色飽和が生じている画像も、RAWだとかなり救済出来ますね。
by コーミン (2014-06-03 15:22) 

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