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デジカメで紫色の撮影は難しい [画像処理]

デジカメでは紫を忠実に写し込むことは難しいと言われています。
他の色なら、デジ一眼でとる限り、限りなく実際の色合いに写したり、仕上げる自信はあるのですが、紫は鬼門です。
それには明確な理由があります。
光はその波長により色が変わり、可視光線は波長の短い部分から波長の長い部分へ虹色のように紫、青、緑、黄、橙、赤と色が変わっていきます。
一方、デジカメはRGB、即ちR 赤 G 緑、 B:青の光の3原色の撮像素子で構成され、R、G、Bの組合せで色を構成しており、紫は、図のように、赤と青の色の合成で表現されます。


要するに、自然界では紫は波長の短い紫色の光で見える紫と、波長が短い青と、波長が長い赤の合成によるものの2種類の紫が存在することになります。
デジカメでの撮影で問題となるのは、紫の光そのものの場合で、波長の短い青成分や緑成分の一部は含むとしても、波長の長い赤成分は含まないことになり、この場合は紫は青と緑とでしか表現できないため、現実の色とは乖離してしまい表現が難しくなります。

特に表現が難しい紫の例としては、彩度の高い紫の花や、蛍光色のようなものでしょうか。

その代表例が紫のペチニヤです。
次の写真は紫のペチニヤの後ろにグレーカードを置いてD700で撮影したままの画像で、一見色が出ているようですが、実際に撮影した花を摘んで、PCのモニターのところで色を比較すると、がっくりするほど違った色です。
pic1.jpg

そこでRAWを現像してみました。
NX2、Siklypic、CS5のCameraRAWといろいろ試してみましたが、結局、色調整機能の多いCameraRAWで現像し、CS5で紫の色の部分をいじくりまわした結果が次の画像です。

少しは現実の花の色に近づきました、やはり思うように色は出ず、これでギブアップしました。

私のPCのモニターはきちんとキャリブレートだけはしていますが、sRGBしか表現できない数年前のものであり、色域の広いAdobeRGBであったならば、もう少し良い結果が出たかもしれません。

今日撮影した他の紫の花ではなんとか色が表現できましたが、やはり、紫、特に色が濃くて深みのある紫は難物です。

















D700


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コメント 3

ぐす+

勉強になりますm(._.)m
by ぐす+ (2010-06-27 09:57) 

ジョルノ飛曹長

確かに紫あたりだと普通にカメラだけで色を再現するのはつないカラーエリアですよねー。^^
私もそういった被写体の場合はRAWにして、さらにカバー域の広いAdobeRGBにして撮っています。

by ジョルノ飛曹長 (2010-06-27 12:07) 

コーミン

ぐず+さんへ
以前は技術屋だったためか理屈ばかりこねています。

ジョルノ飛曹長さんへ
この色域はデジカメだけでなくビデオでも難しい領域らしく、TVを見ていてもこれは色がおかしいと感じる場合があります。
AdobeRGBは、将来、このプロファイルで見られるモニターを入手したら、そのモードで写してみたいと思います。
基本的にRAWで撮影しているので、どの画像も現像時にプロファイルを指定しなおせばAdobeRGBで見られます。
by コーミン (2010-06-27 19:48) 

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