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FinePix X100のWB傾向について [X100]

昨日からいろいろとX100を検証していますが、難航しています。
X100はレンズや画像処理系がかなりしっかりしているので、きちんと撮ると素晴らしい画像が得られます。
まずWBに関しては、従来よりカメラのAWBは信用しておらず、WBは外れる、または外れることが多いことを前提としており、WBは晴天、または色温度指定とすることがほとんどで、RAW現像時に必要に応じてWBほ補正していました。
X100は色が良いとの評判で、AWBを最優先で検証してみましたが、結論的には、AWBはかなり良くはなっているが全面的に信頼することは出来ず、やはりAWBとマニアルWBとを使い分ける必要があると感じています。
昨日紹介したようにAWBでは画像によっては青っぽくなることがすくなからず有ります。
また、今まで試したすべてのカメラがパスできなかった暗い緑の木立の中を想定したマゼンタ被りのAWBのいじわるテストは、X100もパスできませんでした。

AWBでは他のカメラより程度は低いですが明らかにマゼンタ被りが認められます。 
DSCF0244-t.jpg

WBを晴天にしてマゼンタ被りを防止した画像です。
DSCF0245-t.jpg

屋外での撮影の場合でOKとなる画像のWBを見ると、WBを晴天に設定した場合とほとんど同じWBであることから、屋外での撮影では天候や時間に関係なく、AWBより晴天に設定したほうが、WBの歩留まりは明らかに向上します。
但し、青っぽい日陰とか、夕日で黄色っぽい光の状態では、晴天では不適切になるので色温度指定で対応すべきなのですが、X100の場合、色温度設定にすると、わずかに緑被りする傾向があります。 そこで、WBシフトの機能を利用して、緑被りなるものの補正を試してみましたが、WBシフトは各WBモード共通でJPEG画像のみ補正され、RAWには反映しないことが分かりました。 仮に色温度指定での緑被りが出ないように微調整すると、同じ補正がAWBや晴天にも適用されてしまうため、AWBや晴天に切り替えるとマゼンタ方向にWBがずれてしまう結果になります。
この辺りはX100のWBの設計仕様の至らぬところでしょうか。
このようなWBのずれは、RAW現像の際にいかようにも補正できるのですが、このカメラはJPEG撮りっぱなしで完成度の高い画像を得ることを主眼としたカメラであり、RAWで撮影する方は多くないように思えます。

また、フィルムシムレーションでVelvia/ビビッドを試してみました。 被写体によっては映える場合もあるようですが、多くは高彩度かつ高コントラストの見たくもないような画像になってしまいました。

このようなWB、色調上の欠点はありますが、きちんと撮れた時の画像は見事です。 Nikonのデジ一眼でもD300以前は、撮影画像は素材で後加工による仕上げが必須だったのが、D700やD3100では撮影のままでかなり完成度の高い画像が得られるようになりましたが、X100も撮影したままで使える画像の割合が明らかに増えており、画質的にもデジ一眼と同等だと言えると思います。

その他の画像サンプルです。



                 









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きいとん

お久しぶりです コーミンさん

X100のレビュー楽しみにしています。
毎回さすがの鋭い分析ですね。
カメラ雑誌を読むより数段ためになります。
雑誌記者にコーミンさんの爪の垢を飲ませたいくらいです。
富士フィルムの関係者もここを読むと開発の参考になるでしょうにね。
by きいとん (2011-04-09 08:57) 

コーミン

きいとんさんへ

少々言い過ぎのように感じますが、ありがとうございます。
カメラとしては、D3100以来ですが、素晴らしい部分と、未完成の部分とが混在して、いわばじゃじゃ馬的なカメラのように感じますが、いかに使いこなすかで、ある種の面白さを感じています。
カメラのクセを把握して上手に使いこなせるようになれば抜群の写真が撮れそうですが、イラつく部分もいろいろとありますね。
by コーミン (2011-04-09 15:47) 

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