PIXUS PRO-100を使ってみて [PIXUS PRO-100]
CanonのA3ノビサイズのプリンター PIXUS PRO-100は、今まで使っていたEPSONのプリンターPX-G5100のインク詰まりがひどくなり、保守期間の終了になったことから、得ずやむを得ず買え替えたものです。
ほぼ10日間、チューニングを兼ねて、各種の試し印刷した結果、PRO-100は期待以上に良いプリンターでした。
迷った末に、インク詰まりが起きにくいという理由で染料インクタイプにしましたが、染料インク特有の短所が有りるとしても、適切に設定した状態での印刷品位は見事です。
短所としては、印刷後、色が安定するまで時間がかかることで、印刷色調をチェックするには最低10分は待つ必要があり、安定するまでは半日ほどかかります。
また、印刷用紙の種類の違いによる色の変化が大きいことでしょうか。写真用光沢用紙に限定してもメーカや型番が違うとかなり違った色合いになってしまうため、用紙により設定を変える必要があります。
顔料インクのPX-G5100の場合は印刷直後から色が安定し、印刷用紙を変えても印刷の色合いの違いはわずかでした。
但し、インク交換をすると、印刷の色合いが変わる現象に悩まされてきましたが。
PRO-100の場合、指定のICCプロファイルが有る印刷用紙の場合は、プロファイルを当てるだけで、かなり良好なレベルとなり、それに加えて、ドライバーで色調や明るさコントラストを微調整することで、ほぼ完ぺきな状態まで容易に追い込むことが可能となります。
PX-G5100の場合は用紙指定のICCプロファイルを当てても良い結果は得られず、プロファイルを自作せざるをえなかったことと比較すると段違いです。
純正用紙でない場合は、用紙指定とICCプロファイルの組み合わせをいろいろ試して、良い組み合わせを探すまでは手間がかかりましたが、その後はドライバーで補正を加えることで、適正な状態まで追い込むことが出来るようになりました。
PIXUS PROシリーズでは、ICCプロファイルを当てた後にドライバーで微調整が可能であることは素晴らしいと感じました。
PX-G5100の場合はプロファイルを当てた後はドライバーでの補正は不可能で、僅かな補正もプロファイルを作り替える必要がありました。
印刷品位は、顔料インクの場合は、光沢紙でも紙の表面に微細な粒子を載せてわずかにざらついているという感覚で、斜めに見るとグロスオプティマイザの影響で色が干渉して見える場合がありましたが、染料インクの場合は光沢用紙の表面もつるつるで、銀塩プリントと同等です。
PRO-100では良質なモノクロ写真の印刷が可能です。PX-G5100の場合は、プロファイルで厳密に色合わせしても、明るさにより異なる色被りが生じるという欠陥があり、モノクロ写真の印刷には不向きでした。
次の写真の上はPICTORICO光沢紙にPIXUS PRO-100でグレーチャートを印刷し、下はPX-G5100で印刷したものですが、PX-G5100では明るさにより異なる色被りが生じています。
印刷したグレーチャートの元画像です。
PICTORICOの場合、白色を強調するために蛍光剤が配合されているようで、紙の色は本来の白より青みがかっています。 このため明るい部分は紙の色の影響を受けてしまいます。
CANONの純正写真用紙の光沢ゴールドへ印刷したものです。 PICTORICOと比べると紙の色はやや黄色みがかって見えますが、PICRORICOより自然な白色です。
グレーチャートの印刷ではCANONの光沢ゴールドの方が忠実な色合いに印刷できますが、カラー写真の場合は、PICTORICOのほうが派手な色合いで、一見きれいに見えてしまいます。
プリンターをチューニングする場合、このグレーチャートを印刷して、色が付かないグレーに印刷できれば、色合いはほぼ適正になります。
グレーチャートの中央と周囲の縁は、明るさレベルが127で、反射率18%のグレーカード比較して、同じ濃さのグレーならば印刷時の明るさは適正となります。
グレーカードは銀一のものを所有していますが、僅かに緑被りしているため、適正なグレーにするためには、グレーカードより、僅かにマゼンタに傾ける必要があります。
使用したグレーチャートはこちらからDL出来ます。
http://komin2.world.coocan.jp/blog/graychart.jpg
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